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2022 AUTOBACS SUPER GT 第6戦 SUGO GT 300km RACE

<公式練習:9月17 日(土) 天候:曇り 路面:ドライ>

目指すチャンピオンに向けて、残すは3戦──。2022 年のSUPER GTはシリーズも終盤戦。これまで夏の間、富士スピードウェイと鈴鹿サーキットで合計4戦が争われてきたが、これからの3戦は今季初めて挑むコースが続く。第6戦の舞台は、宮城県のスポーツランドSUGO。アップダウンが激しく、またタイトで追い抜きがしづらく、山間にあることから天候の急変やアクシデントも多いコースだ。

今年はさらに大きな特徴をもった一戦となった。SUPER GT では、参戦7戦目にサクセスウエイトが1ポイントあたり1kg となり、参戦8戦目にはそれがなくなる。つまり6戦目となる今回は、年間を通じて最もウエイトが重くなるレースなのだ。TGRTEAM ENEOS ROOKIE は第1戦岡山での優勝の後、第2戦から第4戦までしぶとくポイントを獲得してきたが、第5戦では初の無得点に。タイトル争いを考えても、これ以上離されるわけにはいかない。幸い、サクセスウエイト50kg 以上を超えると課せられる燃料流量リストリクターの調整も、1ランクのダウンで済んでいる。ランキング上位は3ランクダウンの車両もおり、このSUGO で好パフォーマンスをみせれば上位進出も可能だ。

そんな一戦に向け9月17 日、午前9時25 分からの公式練習に臨んだ。天候は薄曇りでやや蒸し暑さがあるなか、ENEOS X PRIME GR Supra は大嶋和也がステアリングを握りコースイン。細かくピットインを繰り返しながらセットアップを調整していくが、大嶋の感触はいまひとつ。タイトなSUGO だけにグリッドが重要になるが、予選で上位に進出するためにはまずは確実にQ1 を突破する必要があるものの、速さを見出しきれずにいた。大嶋は20 周を走りピットインすると、山下健太に交代。3回のピットストップをこなし、その後ロングランのテストを行った後、専有走行の時間帯に1分11 秒315 を記録する。ただ順位は12 番手。やはり予選Q1 突破に向けては、いまひとつスピードが足りない感触があった。


<公式予選:9月17 日(土) 天候:曇り 路面:ドライ>

午後3 時03 分から行われるGT500 クラスの公式予選Q1 に向け、TGR TEAM ENEOS ROOKIE は速さを取り戻すべくセットアップの改良を進め、予選Q1 を担当する山下にENEOS X PRIME GR Supra のステアリングを委ねた。午前の公式練習では晴れ間も見えていたスポーツランドSUGO だが、予選ではやや雲が厚くなり、風も強くなったが、雨は降らず路面はドライ。山下は3周をウォームアップに費やしていくと、4周目にアタックに入っていく。

 午前の公式練習からは路面コンディションも大幅に上がっており、山下は一気に1分10 秒699 までタイムを縮めていったが、上位陣は1分10秒台前半まで突入している。僅差のGT500 クラスのなかでこの差は大きくのしかかり、結果としては公式練習同様、12 番手となってしまった。

 残念ながらQ1 突破はならず、大嶋にバトンを繋ぐことができなかった。山下は「タイヤを外してしまった」と悔しがったが、勝負は決勝レース。「決勝で追い上げるためには、クルマに対して何かをやっていかなければならない」という大嶋は山下、阿部和也エンジニアと相談しながら、さらなるセットアップの調整を行っていった。


<決勝レース:9月18 日(日) 天候:雨 路面:ウエット>

迎えた9月18 日(日)の決勝日。雲はあるものの晴天に恵まれたこの日の朝はサーキット周辺が激しく渋滞するなど、1万7000 人ものファンを集めた。決勝直前に行われたウォームアップ走行でENEOS X PRIME GRSupra は大嶋、山下と交代しながら周回。レースに向けて最後の調整を行っていった。

 このウォームアップのときは晴れ間も見えていたSUGO だが、いざグリッドに向けたスタート進行が始まろうかというタイミングで、雲が急激に厚くなり細かな雨粒が舞いはじめた。事前の天気予報では雨のサインが出ていたが、予報ではもっと遅いタイミング。予想外の雨となった。幸いすぐに路面を濡らすほどの雨ではなく、午後2時からの決勝で、ENEOS X PRIME GR Supra はスリックを履きスタートを切った。ステアリングを握る大嶋は、まずはオープニングラップをグリッドどおりの12番手で通過。1周目にGT300 車両のクラッシュがありセーフティカーが導入されるも、4周目にリスタートを迎え、大嶋は前を行く#37 GR Supraを追った。

 ただレースが13 周を過ぎるころになると、一時上がったかに思われた雨脚が一気に強くなり、みるみるうちに路面が濡れていった。大嶋はピットと交信しつつ、15 周目にピットイン。

ウエットタイヤに交換した。このピットイン時にトラブルに見舞われた車両もいたことからENEOS X PRIME GR Supra の順位はひとつ上がり、大嶋は11 番手につけ、途中フルコースイエローも挟みながら#12 Z GT500 らとのバトルをていく。20 周を過ぎるころになると雨脚が弱まり、短いコース長のなかを多くのマシンが通過することから、熱によって路面は急速に乾いていった。しかしその後はふたたび雨脚が強くなるなど、路面コンディションは目まぐるしく変わった。ライバルのタイヤメーカーのマシンがそんなコンディションのなか速さをみせていくが、大嶋は苦しいペースでの戦いを強いられる。

ライバルメーカーとの差は圧倒的で、ENEOS X PRIME GR Supra はまさかのラップダウンにされてしまう。

その後天候が回復していく天気予報もあったことから、チームは慎重に山下との交代のタイミングをうかがっていく。ただ大嶋のペースも厳しく、36 周を終えピットイン。ウエットタイヤを履き山下がピットアウトしていった。

 しかし40 周が過ぎ始めると、今度は雨が止みふたたび路面が乾いていった。レースはまだ半分以上ある。チームはいち早くジャッジを下すと、49周を終え再度ピットイン。このレースでの3回目のピット作業となったが、チームは迅速に作業を行い、スリックを履かせ山下を送り出した。 山下は#100 NSX-GT や#37 GR Supra らとの接近戦を展開していくが、そのたびに今度はGT500 クラスの上位の車両が近づいてくる。山下はすでにラップダウンで、速い車両に進路を譲らなければならない青旗も提示されバトルを中断せざるを得ず、追い上げをより困難にさせてしまった。

 なんとか#37 GR Supra をかわしポイント圏内に浮上したかった山下だが、最後は11 位でチェッカーを受けることになった。

 結果的に悔しいレースとなったが、得られたものがなかったわけではない。残すは2戦、そして2レースとも勝つだけだ。チームは気合を新たに入れ直し、昨年も好結果を残した第7戦オートポリスに臨む。


ドライバー/監督コメント

DRIVER 大嶋 和也 (Kazuya Oshima):「まったく思っていたようなレースになりませんでしたね。公式予選でもタイヤ選択なども良くなかったですし、クルマのポテンシャルはもう少しあったと思いますが、スピードも足りませんでしたし、戦略でももう少しスピーディーに動きたかったです。もったいない、悔しいレースになってしまいましたが、チームとして今回の経験を活かしていかなければなりませんし、強くなるしかないと思っています。もうこうなってしまっては、気持ちを切り替えて残る2戦で勝つだけです。昨年速さをみせたオートポリス、そして僕も山下選手も得意とするもてぎが残っているだけです。今回までは『ミスをしないように』とチャンピオン争いに向けたプレッシャーもありましたが、それからもある意味解放されたので、シンプルに優勝を目指していきたいと思っています」

DRIVER 山下 健太 (Kenta Yamashita):「悔しい結果になってしまいましたね。サクセスウエイトでの燃料流量リストリクターのハンデがあったとはいえ、公式練習からスピードがない印象がありました。予選でも結果的にタイヤ選択を外してしまいQ1 を通過できませんでした。決勝レースで巻き返したかったところですが、こういった荒れた天候のなかでチャンスはあったとは思うものの、その場その場で良い判断ができなかった印象もあります。最後は前の#37 GR Supra を抜きたかったのですが、決め手がないままうしろからトップが来てしまい、抜けませんでした。こういう結果に終わってしまいましたし、流れや巡り合わせが良くないと感じています。残り2戦、勝つしかないので、この流れを断ち切るようなレースにしていきたいと思っています」

DIRECTOR 高木 虎之介 (Toranosuke Takagi):「天候が目まぐるしく変わる難しいコンディションのなか、レースではすべてうまくいっていましたし、戦略も悪いものではなかったのですが、結果的にラップダウンとなってしまうと、上位争いがうしろから来てブルーフラッグを振られてしまったら、我々がどかなければならなくなってしまう。難しい状況になってしまいましたね。ドライバーふたりはすごく頑張ってくれましたが、ウエットタイヤのパフォーマンスが少し物足りませんでしたね。ポイントを獲得したかったのですが、残念ながら11 位と果たせないまま終わってしまいました。次戦はオートポリスですが、昨年すごく調子が良かったコースです。厳しい状況となってしまってはいますが、もう終盤2戦で2連勝するしかありません。気持ちを切り替えて挑みたいですね」


SUPER GT 第6戦 菅生 リザルト


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