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全日本スーパーフォーミュラ選手権2022 第6戦

土曜フリー走行:7月16 日(土) 天候:雨 路面:ウエット

2022 年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は第6戦富士スピードウェイを迎えた。今季富士は第1戦/第2戦の舞台として開催されており、これが2回目の開催だ。今季ここまで少しずつ調子を上げてきたdocomo business ROOKIEと大嶋和也にとって、富士はホームコースであり、データは豊富に持っているコースのひとつ。終盤戦に向けてさらにポテンシャルを上げるべく、7月16 日(土)の予選日に臨んだ。

 そんな予選日だが、事前の天気予報から雨の予想が出ており、早朝こそ曇り空だったものの、午前9時30 分ごろら雨が舞いはじめた。直後に雨が強くなり、コースはウエットへ。ただその後一時雨が小康状態となり、乾いた部分が見えはじめる状況で午前1015 分からのフリー走行を迎えた。この日の朝礼では、片岡龍也監督が「天気ばかりは自分たちばかりではコントロールできませんし、他も同じ条件。急にコンディションが変わったときに、ミスコミュニケーションなく、指示を反映してもらい、ミスなく集中してやっていきましょう」と声をかけた。そのとおりの状況のなか、大嶋はコースオープン後、セットアップを確認していった。

 ただフリー走行開始からしばらく経ち、少しずつ雨脚が強まっていく。スーパーフォーミュラではだんだんと走行が難しい状況になっていき、大嶋は10 周を走った後にピットに戻ることになった。午前1110 分、雨が強くなりセッションは赤旗中断に。そのまま午前11 35 分、フリー走行は再開されないまま終了となった。

「走り出しは雨量が少ないなかでドライセットで出ましたが、雨量が多くなってからウエットセットに切り替えたものの、今度は赤旗になってしまって。データもきちんととれませんでした」と大嶋はフリー走行を振り返った。他車もコンディションに泣かされ同様の状況ではあったが、大嶋とdocomo business ROOKIE にとっては、フラストレーションが溜まるフリー走行となった


<第6戦 土曜公式予選7月16 日(土) 天候:雨 路面:ウエット

昼ごろから雨は少しずつ小康状態となったものの、午後3時10 分から予定されていたスーパーフォーミュラの公式予選に向け、競技会事務局は通常のノックアウト形式の予選ではなく、30 分でタイム計測を行う予選に切り替えた。ただ、少しずつ雨脚が強まる予報が出ており、午後3時10 分のコースオープン直後がチャンスと言えた。

 当然ライバルたちも同様の情報を得ており、コースオープンとともに全車がピットレーンに並ぶ。Docomo business ROOKIE はピット位置から出口までが遠く、コースインには時間がかかってしまう。さらに、アタックに向かいたくとも前走車がいれば理想の走りはできない。ギャップを作っているうちに後方からは先にアタックしているマシンが近づいてしまう。しかも、アタックしようとするたびに赤旗が出てしまう不運にも見舞われた。

 大嶋は難しい状況のなか、6周目に1分40 秒898 をマークするが、理想とはほど遠い予選となってしまい、順位は20 番手。「クリアラップもとれませんでしたし、クルマもそこまで良くなかったです。ストレスしか溜まりませんでしたね……。雨のこういう状況では勝負ができない」と大嶋にとっては悔しい予選となった。


第6戦 決勝レース 7月17 日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ

明けて7月17 日(日)の決勝日は、レースが行われる午後2時30 分はドライコンディションが予想されていた

ものの、午前9時からのフリー走行はわずかに雨が舞い、水が残る路面状況で迎えた。大嶋は一度ウエットタイヤ

を履きコースインし、路面状況が好転するとスリックを装着。16 周を走り1 25 596 というベストタイムをマーク。決勝に向け準備を進めた。フリー走行の後、富士スピードウェイは晴れ間が広がり、午後2時30 分からの決勝は気温27 度/路面温度37 度というコンディションで迎えた。路面は完全にドライで、大嶋は19番手から好スタートを切った。ただ、TGR コーナーでの競り合いのなかでアクシデントも発生。大嶋は行き場を失い、18 番手につける。

 序盤から激しい争いが続いていたレースだが、3周目、2コーナー立ち上がりで大きなアクシデントが発生し、レースはセーフティカーランとなる。この間に序盤のアクシデント等でピットインした車両もおり、大嶋の順位は15 番手に上がる。レースは9周目にリスタートを迎えたが、10 周目に入りピットインする車両が現れた。大嶋は今回、コース上で走行を続けたため少しずつ順位が上がっていった。

 ただ、大嶋のペースは思うように上がらない。前が開けた12 周目に1分25 847 を記録したものの、その後はなかなか1分26 秒台を切れぬままレースを進めていくことになる。

 チームは大嶋の頑張りに応えるべくピットタイミングをうかがい、25 周を終え大嶋を呼び戻した。ここで6秒台の素早いピット作業を行い大嶋を送り出したものの、タイミング悪くトップの車両のタイヤが外れ、コースサイドにストップ。2度目のセーフティカーランとなってしまった。あと1〜2周遅いタイミングだったならばポジションの大幅アップも可能だったが、こればかりは運もあり仕方がない。レースは31 周目にリスタートを迎え、大嶋は12 番手で前を追った。ただ32 周目、目前にいた#18 国本雄資の後方でTGR コーナーに向けブレーキングした大嶋は、リヤがスライド。危うくアウト側のガードレールにヒットせんばかりに姿勢を乱してしまったが、なんとか大嶋はコントロールしコースに復帰することができた。ただこの間に大嶋はポジションダウン。36 周目にひとつ順位を戻し、最終的に13 位でフィニッシュした。集団のなかでバトルを展開するなど、光明は見えはじめたようにも感じられるが、やはり集団の前に出なければならない。docomo businessROOKIE にとっては前進したようにも感じられるが、さらに大きなステップを踏まなければならないと感じさせる週末となった。

 2022 年のスーパーフォーミュラはあと4戦だが、2レース制が2ラウンド。浮上へのチャンスは残り少ない。

チームはさらにギアを上げ、終盤戦の挽回に挑んでいく。


ドライバー/監督コメント

DRIVER 大嶋 和也 (Kazuya Oshima):「スタートは動き出しも良かったのですが、前のクルマが引っかかったりで抜き返されてしまいました。それにペースも良くなかったですね。タイヤがフレッシュなうちは良かったですが、すぐタレてしまって。ピークも足りませんし、まだまだ改善しなければならないところだらけでしたね。最後は見かけ上バトルもできましたし、雰囲気はこれまでよりも良かったですが、もう少し良くしていかないと、チャンスが来た時に戦えないです。TGR コーナーではダウンフォースが減ったときに止まりきれなかったりと、リヤのスタビリティも問題がありました。昨年まではデータがないなかでもう少し良かっただけに、苦しいレースが続いてしまっていますね。チームも頑張ってくれていますし、少しずつは良くなっているのですが……。まだ少し悩んでいます」


監督 片岡龍也 (TATSUYA KATAOKA):

「予選が雨で、どうしてもピット位置もあり不利な展開になってしまいましたね。とは言え、ピット位置は昨年のランキングによるものなので、自分たちの実力次第です。受け容れるしかありません。決勝は18 番手から混乱をうまく避けてくれましたが、その後場所どりでなかなか前に出ることができませんでした。その後セーフティカーが出るタイミングをうまく合わせピットインさせたいと思いましたが、残り15 周までにセーフティカーが入らなければピットインしようと、作業を行いました。その2周後ぐらいに出てしまったので、こればかりは仕方ありませんね。いずれにしても、まだペースに課題があります。集団の前に行くためにはもっとレベルアップしなければなりません。課題は見えたので、ひとつ成長に繋がったレースになったのではと思います」


第6戦 リザルト


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