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2026 SUPER TAIKYU Round 3

 モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり、人とクルマを鍛えることをテーマとしてスーパー耐久シリーズへの参戦を続けてきたROOKIE Racing。2026年はGAZOO RacingだけでなくTOYOTA Racingも含めての『TOYOTA GAZOO ROOKIE Racing』として活動しているが、ニュルブルクリンク24時間参戦に続き、2026年もスーパー耐久への挑戦が始まった。
 今季のスーパー耐久参戦初戦となるのは、第3戦富士24時間レース。TGRR GR Corolla H2 conceptを投入し、今季も水素社会実現に向けて挑戦を進める。
 そんなTGRR GR Corolla H2 conceptは、今シーズン意欲的な挑戦をスタートさせていた。2023年から使用していた液体水素は、液体水素タンクの外側に取り付けられた電動ポンプで液体水素を汲んでおり、2025年の富士24時間レースへの挑戦ではポンプ無交換での完走も実現。今年は液体水素を保管する-253℃という極低温下の環境を利用して、超電導モーターをタンク内に搭載し、タンク容量の拡大、さらにモーター位置の変更による運動性能の改善を目指した。
 これまで何度もテストを行ってきたが、実戦投入は世界初となる試みだ。TGRRはモリゾウ/石浦宏明/大嶋和也/豊田大輔というニュルも戦った4人に加え、福住仁嶺を富士24時間に招聘。ROOKIE Racingを代表するメンバーにより、チームとしては1スティント32周、そして24時間レースを通じて500周を走りきることを目標に掲げレースウイークに臨んだ。

PRACTICE – 占有走行
6月4日 (木) 天候:曇り/路面:ドライ

 迎えた富士24時間のレースウイークだが、6月3日(水)は台風6号の影響で、スポーツ走行がすべてキャンセルに。一夜明けた6月4日(木)の専有走行がTGRR GR Corolla H2 conceptの走り始めとなった。
 午後1時10分から始まった専有走行は曇り空ながらドライ。まずは豊田大輔がステアリングを握りコースイン。一度ピットに戻り、15周を消化。初めてのTGRR GR Corolla H2 conceptを体感した。
「液体水素になってからは初めて乗りましたが、印象としては『重い』『パワーがない』です。どうやって走ればいいのか最初は難しかったのですが、ロガーを見たりして走り方は分かってきましたが、面白い感じです」とTGRR GR Corolla H2 conceptに新鮮な印象を受けた様子。「重さの制約はありますが、クルマづくりを今後頑張れば見えてくるものも多いので、その点はポジティブです」と大輔は語った。
 その後はモリゾウがステアリングを握り、14周を消化。福住が午後3時30分からのスポーツ走行で3周ながら初ドライブを果たした。
「自分が想像していたよりも乗りやすいですが、パワーがないこと、重いこと、そして四駆も初めてなので、速く走らせる方法が今まで自分が乗ってきたクルマとはまったく違いますね」とこちらも驚きを受けた様子。ただ一方で「フィーリングも違和感がなかったですし、水素エンジンってこんなに素晴らしいのかと実感しました」とも。
 モリゾウ、そしてこれまで経験がなかったふたりのドライビングを終え、TGRR GR Corolla H2 conceptはまずはこの日の走行を締めくくった。専有走行2回目、また夜間専有走行は走らず、予定されていた液体水素タンクの交換に取りかかった。
 この交換を経て、24時間の決勝レースの途中まで保たせる計算だ。

QUALIFY – 公式予選
6月5日(金) 天候:曇り/路面:ドライ

 前日行っていた液体水素タンクの交換も無事に終わり、TGRRは6月5日(金)の予選日に臨んだ。この日は午前はスーパー耐久第3戦の参戦全車による記念撮影が行われ、午後0時10分から行われた公式予選に臨んだ。
 まずTGRR GR Corolla H2 conceptのAドライバー予選に臨んだのはモリゾウ。8周を走り、5周目に2分03秒192というタイムを記録。ST-5クラスの車両を上回る総合48番手のタイムを記録した。
 続くBドライバー予選に臨んだのは石浦。こちらも4周目、2分01秒134というタイムを記録。同じくST-5車両を上回る48番手という位置で、必然的に合算タイムでのグリッドも総合48番手に。いかにモリゾウがしっかりとTGRR GR Corolla H2 conceptのポテンシャルを引き出したかの証左とも言える順位だった。
 続くCドライバー予選では、今回は監督も兼任する大嶋が2分03秒620というタイムを記録。47番手につける。またDドライバー予選では、大輔が初めてのTGRR GR Corolla H2 conceptでのアタックながら、2分04秒933を記録。大嶋、大輔とも決勝レースを見据えつつの予選だったが、いずれも好タイムを記録してみせた。
 そして長い公式予選の締めくくりとなったのは、E/Fドライバーフリー走行に臨んだ福住。Dドライバー予選から台数が少なくなるなか、2分03秒402というタイムを記録し、総合35番手につけて公式予選を終えた。
 台風の影響で水曜は走行ができなかったものの、木曜の専有走行、そして金曜の公式予選とTGRR GR Corolla H2 conceptはここまで細かいトラブルこそあれど、心配されるような大きなトラブルはなくレースウイークをこなしていた。
 翌日から始まる24時間レースの長丁場に備え、TGRRのメンバーは充実した予選日を終え、しっかりと休息をとった。

RACE – 決勝レース
6月6日(土)~6月7日(日) 天候:曇り~雨/路面:ドライ~ウエット

 3万1800人ものファンを集め、迎えた6月6日(土)の決勝日。48番グリッドからスタートしたTGRR GR Corolla H2 conceptは、大輔がスタートドライバーを務めた。目指すは500周走破だ。
 例年、TGRR GR Corolla H2 conceptはモリゾウがスタートドライバーを務めることが多いが、今回大輔に譲ったのには理由があった。今回TGRR GR Corolla H2 conceptは30周を超える1スティントが可能となっていたが、モリゾウとしては30周をきっちり走ってみたいという希望、そしてモリゾウの年齢である70歳と同じ、70周を決勝レースを通じて走ってみたいという希望があった。スタートドライバーでは30周は実現しないため、まずは大輔が20周を走った後にピットインし、モリゾウに代わるスケジュールが採用された。
 大輔はまずはしっかりと20周をこなし、モリゾウに交代。曇り空のもとモリゾウは着実にTGRR GR Corolla H2 conceptのポテンシャルを引き出すと、きっちり30周で最初のスティントを終えた。
 今年の24時間レースは、トラブルによりピットインする車両が出てくるものの、コース上のアクシデントはほとんどなく、セーフティカーランが入らないまま進んでいった。モリゾウからステアリングを受け継いだ大輔はいきなりダブルスティントをこなすと、一度福住のスティントを挟み、今度は大嶋に交代。大嶋もダブルと、少しずつサーキット全体が暗くなるなか、TGRR GR Corolla H2 conceptはトラブルなく周回数を増やしていった。セーフティカーランがない分、500周という目標に向けては有利な条件となっていたが、ただピットでは走りを見守る他のドライバーたちにわずかな焦りが生まれていた。
「500周を達成するためにはけっこう頑張らないといけない雲行きになってきました(苦笑)」と言うのは石浦。TGRR GR Corolla H2 conceptはトラブルフリーで周回を重ねてはいたものの、途中液体水素タンクの交換が必ず入ってくる。それを考えると、やや目標設定が高かった。
 しかし、その後もドライバーたちはなんとか目標達成を目指し、大嶋から石浦、そして福住と交代。午前1時、一度ガレージに入ると、予定どおり液体水素タンク交換に取り組んでいった。
 作業は約4時間30分を要し、その後は大嶋、石浦が交代しながら周回を続けていく。この頃にはすっかり夜も白み、午前9時50分にはふたたびモリゾウが乗車。きっちりと1スティント20周をこなした。これでモリゾウの目標はあと20周だ。
 ただモリゾウから福住、そして大輔と交代した後、TGRR GR Corolla H2 conceptは13コーナーで一時ストップしてしまった。大輔はなんとかシステムをリセットしてピットに戻ることができたが、超電導ポンプの制御に関するもので、32分ほどのピットインを強いられてしまう。これで500周という目標は遠のいてしまうことになった。ただ、まだモリゾウの70周、そしてきっちりと24時間を走り切るという目標は残っている。
 トラブルを解消し、ふたたびコースに戻ったTGRR GR Corolla H2 conceptは、午後0時53分、ふたたびモリゾウにステアリングを託した。コースには小雨もぱらつく不安定なコンディション。モリゾウはスリックタイヤを履いていたが、着実にスティントをこなすと、25周を走りピットへ。目標よりも5周多い、75周を走り切った。
 ドライバーたち、そしてTGRRのメンバー全員、水素社会実現のためにともに戦う仲間たちの思いを乗せ、TGRR GR Corolla H2 conceptはふたたび大輔がドライブ。すっかりウエットコンディションに転じ、雨が降り続けるなか、午後3時01分、チェッカーを受けた。こなした周回は合計483周。500周には届かなかったが、水素エンジン投入後最多の周回をこなした。
「エンジンが乗っているクルマの楽しさを感じながら24時間を戦うことができました。途中トラブルもありましたが、他クラスとレースを戦えることも実感しましたし、皆さんのこれまでの努力が実を結んでいると感じました。大切なクルマを壊さないよう、しっかり走らせてもらいました」と初めて水素エンジンで24時間を戦った大輔は振り返った。
 トラブルこそあれど、超電導モーターでの初挑戦は多くのものを得た。今回の挑戦が、未来への扉を開いていくはずだ。

モリゾウ – MORIZO – DRIVER

過去最多の周回数、おめでとうございます!

みんなで目標にした『今まででいちばん長く走ろうよ』
そのいちばん長い距離が我々の未来に繋げる道になる
皆さんがやってきたことが、こうして結果として出たと思います

でも未来への扉は、まだまだ開いていないと思います

我々ROOKIE Racing、そして未来への『Journey』はまだまだ続くと思います

まずはひとまずご苦労さま。
まずはおめでとう。
まずは良くやったね。

ひとまず今回の富士24時間は『良かった良かった』で終わりたいと思います

改めて、みんなにありがとう

感謝を伝えたいと思います。

大嶋 和也 – Kazuya OSHIMA – DIRECTOR

「今年から自分が水素エンジンGRカローラの監督を務めさせていただきましたが、今までの流れや、どんな人たちがどんなことをやってきたのかを勉強して『すごいことをやっているな』と驚きながらの挑戦となりました。当然レースでは問題も起きると思っていましたし、うまくいかないだろうとは思っていましたが、もっと苦戦すると思っていたので、その点ではうまくいったと思います。トラブルが起きても、みんなが早急に解決策を出してくれましたし、少しでも短いピットストップでみんなが頑張ってくれました。これほど難しい挑戦を続けているプロジェクトなのでやり甲斐も感じましたし、みんなモチベーションも高いので、またこのクルマを走らせて、もっといいクルマにしたいと感じましたね」

☆番外編~24時間の裏側~☆

ドライバー、エンジニア、メカニック…チームみんなで作り上げる富士24時間レースの裏側を少しだけご紹介します!

腹が減っては戦はできぬ!山田水産様のうなぎとバルボン様のバーガーをご提供いただきました!
しかし緊急ピットで招集がかかると、すぐには食べれないことも…?!後からゆっくりと味わえたようです…(笑)

花火や夜間の走行は24時間走行の魅力!スポットドライバーとして参戦した福住選手も夜のスティントに向けてモニターをじっと見つめます。

メカもストレッチで夜間を乗り切りました。モリゾウ選手、自己最多75周を終えた後のドライバ-交代後はゴールをピットで見守りました!