NEWS & REPORT

2026 SUPER GT Round 5 – GT300 Class

PRACTICE – 公式練習
8月22日(土) 天候:晴れ/路面:ドライ

第4戦富士では鈴木斗輝哉がレース序盤に素晴らしい追い上げをみせ、終盤には石浦宏明がベテランらしいテクニックを駆使。チーム全員の力を合わせ、嬉しい2位表彰台を獲得することができたTEAM ENEOS ROOKIE。この勢いを繋げるべく、チームは3週間のインターバルで迎えた第5戦鈴鹿に臨んだ。
 走行初日となった8月22日(土)の鈴鹿サーキットは非常に蒸し暑く、午前9時45分からスタートした公式練習は、気温31度/路面温度37度というコンディション。残暑が厳しいなかで始まった。
 ENEOS X PRIME AMG GT3は、石浦がステアリングを握りコースインすると、4周目にまずは2分00秒305というタイムを記録するが、第4戦富士で2位表彰台を得たことでサクセスウエイトが大きく増えており、今回は60kgという数値となっている。実際に搭載するのは50kgで、残りはサクセス給油リストリクターで代用されるとはいえ、やはり重い。「こんなに重いのか、と感じましたね」と石浦も苦笑いだ。
 石浦から交代した鈴木は、コースイン直後から二度の赤旗中断を挟んだが、一度ピットに戻った後、ロングランをトライ。12周を走り、ふたたび石浦に交代した。
「鈴鹿サーキットは今季、西コースが新しい舗装になっているのですが、持ち込んだタイヤとのマッチングもいまひとつでした。ただやはりウエイトの影響もありましたし、まわりも速かったですね」と鈴木。予選へのセットアップはやや苦しかったが、ロングランでトライしたレースペースには良い手ごたえを得ることになった。
 ふたたびENEOS X PRIME AMG GT3に乗り込んだ石浦は、8周を走りピットに戻ったが、「かなり厳しい戦いになると思いますし、全体的に苦戦してはいますが、まずは予選でランキング上位のライバルを上回りたいですね」と午後の公式予選、そして決勝に向けて石浦は語った。

QUALIFY – 公式予選
8月22日(土) 天候:晴れ/路面:ドライ

公式練習から厳しい暑さとなっていた鈴鹿サーキットだが、午後になってもその暑さは変わらず、晴天のもと気温34度/路面温度46度というコンディションで午後3時30分から公式予選が始まった。
 午前の公式練習からタイムに伸び悩んでいたENEOS X PRIME AMG GT3は、鈴木斗輝哉のスピードに託し公式予選Q2進出を目指した。
 鈴木はじっくりとタイヤをウォームアップさせ、5周目にアタックラップに入っていく。最終コーナーをインベタでクリアし、タイムを稼いでいった鈴木が記録したタイムは1分59秒057。Q2進出までわずか0.148秒足りず12番手で、公式予選総合では23番手という位置となった。
「そんなにうまくはいかないですね。でも逆に伸びしろがたくさんあるということだと思いますし、この苦しい状況のなかで、どれだけ結果を得られるかが僕たちに求められることだと思います」と鈴木は前を向いた。第1戦では難しい表情をしていた鈴木にとっても、成長の糧となる公式予選となった。逆に、決勝では追い上げるだけだ。TEAM ENEOS ROOKIEはシンプルになった目標へ向け気持ちを切り替えていった。

RACE – 決勝レース
8月23日(日) 天候:晴れ/路面:ドライ

 公式予選から一夜明け、迎えた8月23日(日)の決勝日。鈴鹿サーキットはこの日も気温が高く、気温34度/路面温度49度というコンディションのもと午後1時30分に決勝レースの火ぶたが切って落とされた。直前のウォームアップ走行まで使ってENEOS X PRIME AMG GT3はセットアップを煮詰め、鈴木をスタートドライバーに据え23番手からの追い上げを期した。
 前日の公式予選の後、チームメンバーを前に「どんどん抜いていきたい」と力強く語っていた鈴木は、その宣言どおり1周目の混戦のなか、3ポジションアップを果たしさっそく公約を果たしてみせる。ただ、序盤の混戦が落ち着き出すと、ENEOS X PRIME AMG GT3の前を走っていた3台のGT-R勢を前になかなかオーバーテイクには至らず。順位をキープしながらレースを進めていくことになった。
 しかし、今回ENEOS X PRIME AMG GT3は下位グリッドからの追い上げを期し、ピットインを遅らせ空いたスペースを走るオーバーカット、さらにタイヤ二輪交換でピット時間を短縮する作戦を組んでいた。無理なオーバーテイクができないことを理解した鈴木は、しっかりと燃料とタイヤをキープすることに切り替えることに。16周目にNIPPOコーナーでストップ車両が発生したことによるフルコースイエローが導入された後、アンダーカットを狙うライバルたちがピットに向かっていくと、クリアになったスペースを活かしコンスタントなペースで順位を上げていった。途中、130Rでコースアウトしてしまうシーンもあったが、幸い無傷でコースに復帰。30周を終えて大役を果たし、ピットに戻った。
 TEAM ENEOS ROOKIEのクルーは迅速な作業でフロント二輪交換を行い、石浦にステアリングを託しピットアウトする。もし序盤にセーフティカーが出ていたらレースを失うリスクがある作戦だったが、見事に成功し、14番手につけポイント圏内への浮上を果たした。
 石浦は#11 フェアレディZの先行こそ許したが、後続をきっちり抑えレース終盤に入っていく。すると、ペナルティやアクシデント、トラブルと上位陣が後退していってしまう。これでENEOS X PRIME AMG GT3は少しずつ順位を上げ、42周目に2番手だった#60 LC500がピットインすると、ついに10番手まで浮上した。
 直後、上位を争っていた#52 GR Supraが130Rでクラッシュしてしまい、レースはフルコースイエローからセーフティカーランとなる。このままレースは再開されることなく、ENEOS X PRIME AMG GT3は23番手から大きくジャンプアップしての10位フィニッシュを飾ることになった。
 公式練習での苦境から、チーム全員がアイデアを出し合い、大きく順位を上げることに成功したこの第5戦は、表彰台を獲得した第4戦よりも大きなものをチームにもたらした。シーズンはこれから後半戦。TEAM ENEOS ROOKIEは、まだまだ一歩ずつ成長を続けていく。


石浦 宏明
Hiroaki ISHIURA – DRIVER

「予選23番手から10位まで上がることができましたが、『粘り強くレースを戦おう』というコンセプトで、失うものはないといろいろな作戦を考えてレースに臨みました。結果的に、セーフティカーのリスクを負ってでもピットインを遅らせようという作戦に出ましたが、それが成功しましたね。フロントタイヤのみ二輪交換という戦略もうまくいきました。それを見据えたセットアップをすることもでき、最後にセーフティカーに助けられたとも思います。今回望みうる最上位でレースを終えることができたのではないでしょうか。1年目のチームですが、ミスなく団結して、想定どおりにレースができたと思います。決勝に向けたセット変更も含め、今後に繋がる意味のあるレースにできたと思います」

鈴木 斗輝哉
Tokiya SUZUKI – DRIVER

「スタートから混戦で、位置取りのなかで何台か抜くことはできたのですが、集団が少しずつ離れてきたときには、前を走る集団を抜くことにかなり苦労しました。しかしそんな中で燃料をセーブし、フロントも厳しそうだったので労ったりと、ラップタイムを落とさないようにしながら考えて走っていきました。途中、130Rでコースアウトしてしまったこともあったのでチームの皆さんに申し訳ないと思いますが、結果的に23番手から10位に上がり、こんなにたくさんのポイントを得られたのはうれしく思います。こうして強いレースができたので、チームの皆さん、石浦さんに感謝したいです。こういう苦しいレースウイークで石浦さんから学ぶことも多かったので、次戦や今後の未来に繋げていきたいです」

山村 豊 
Yutaka YAMAMURA – GENERAL MANAGER

「夏休みということもあり、たくさんのスポンサーの皆さんやファンの皆さんがいらっしゃっていましたが、その前で皆さんの期待を超える結果を残すことができたのをうれしく思っています。予選は今季いちばん下の順位になってしまいましたが、そこから這い上がるチャレンジ、そしてサクセスウエイトに対しての戦い方と、またひとつ経験を積むことができました。非常に大きなことだったと思いますし、10位という素晴らしい結果を残すことができたのは、チーム全員の頑張りの結果だったのではないかと思っています。次戦はさらにサクセスウエイトも加わりますし、狭いサーキットなので予選順位が大事になりますが、我々ができる等身大の力で、皆さんの期待を超えていきたいと思います」

関谷 利之 
Toshiyuki SEKIYA – DIRECTOR

「エンジニアが『想定どおりではなかった』と言っていましたが、我々としてはSUPER GTに対して経験が足りていないということなので『勉強した』ということだと思っています。言い方は悪いですが真似てみたり、決勝の前にも大きく変えてみたりと、最後までやった結果が10位に繋がったと思います。またミスがなかったことも大きいですね。今回はちゃんと自分たちが持てる力を出すことができたと思いますし、展開で順位を上げられたとはいえ、這い上がってこられたので、一歩ずつ強くなっていくのを感じられました。第4戦の2位も良かったですが、それを超える内容の濃さだったと思いますね。また次に向けてみんなで考えていきたいですし、頑張っていきたいと思っています」