

PRACTICE – 公式練習
4月11日(土) 天候:晴れ/路面:ドライ
約5ヶ月ほどのオフシーズンを経て、いよいよ2026年のSUPER GTが岡山国際サーキットで開幕を迎えた。2025年はシーズン後半戦を中心に速さをみせてきたTGR TEAM ENEOS ROOKIEは、今シーズンも福住仁嶺と大嶋和也のふたりがドライブ。悲願のチャンピオンを目指していく。
迎えた開幕戦は、4月11日(土)の午前9時30分に公式練習がスタートした。前日までは天候が悪かった岡山国際サーキットだが、この日は快晴に恵まれ、気温18度/路面温度24度と例年よりも暖かいコンディションとなった。
ENEOS X PRIME GR Supraは、まずは大嶋からステアリングを握りコースイン。今季、チームは福住のスピードに期待し第1ドライバーに据え、大嶋のクルマづくりの手腕に期待し第2ドライバーに据えたが、大嶋は午後の公式予選に向けてセットアップの確認等の作業を進めていった。ただ、今オフのメーカーテストや公式テストではENEOS X PRIME GR Supraには細かい不具合が発生しており、その対処でセットアップに本格的に取り組めていなかった。
その影響か、この公式練習での大嶋のフィーリングは良くない。セットアップ変更をトライしながらアウトインを繰り返し、32周を走りピットに戻り、福住に交代したが、福住のフィーリングも同様。15周を走り、チェッカー間際に1分19秒660というベストタイムを記録したものの、結果は12番手。上位陣は1分18秒台の中盤に入っており、苦しいレースウイークのスタートとなってしまった。
「いろいろと変更しながら走っていきましたが、正直言って少し良くない状況でした」と福住は振り返った。午後の公式予選までそれほど時間が多いわけではない。TGR TEAM ENEOS ROOKIEは忙しい昼のインターバルのなかで、午後の公式予選に向けてセットアップの修正を行った。


QUALIFY – 公式予選
4月11日(土) 天候:晴れ/路面:ドライ
午前からの晴天が続き、午後2時から始まった公式予選は気温25度/路面温度34度と4月とは思えない暖かさのなかで始まった。
ENEOS X PRIME GR Supraは、まずは大嶋がQ1のアタッカーを務めた。ただ、やはりフィーリングはあまり良くない。大嶋は一度アタックを終えたが、そのタイミングの最終コーナーで#8 HRCプレリュードGTがクラッシュ。一度赤旗中断となった。
セッションは残り4分で再開されたが、この赤旗中にトライした変更がプラスに働いた。再度のアタックという難しい状況ながら1分18秒497というタイムを記録し、10番手でQ1突破をなんとか果たした。
Q1を経て、ENEOS X PRIME GR Supraは良い方向性を見出すことができた。Q2の福住は、フィーリングが改善されたENEOS X PRIME GR Supraを駆り、一気に1分17秒481までタイムアップ。3番手につけることができた。
走り出しからのフィーリングの悪さは、このQ2で劇的に改善することができた。「エンジニアさん、大嶋さんがクルマの方向性を考えてくれたおかげです」と福住はチームに感謝を伝えた。

RACE – 決勝レース
4月12日(日) 天候:晴れ/路面:ドライ
公式練習での苦戦から改善し、予選3番手につけることに成功したENEOS X PRIME GR Supra。迎えた決勝日の4月12日(日)は朝から初夏の陽気で、気温24度/路面温度39度というコンディションのもと、午後1時20分に決勝レースの火ぶたが切って落とされた。
チームはENEOS X PRIME GR Supraにさらなる改善を施し、スタートドライバーの福住にステアリングを委ねた。1周目、福住はまずきっちり3番手を守ったが、セットアップは改善されつつあったものの、トップを走る#38 GR Supra、2番手の#36 GR Supraを追うまでには至らない。前の2台とのギャップが広がっていく一方、後方からは#17 HRCプレリュードGTをかわしてきた#12 Z NISMO GT500が急接近。福住は防戦を強いられた。
ただ#12 Z NISMO GT500のペースが良く、福住は抵抗するも5周目のリボルバーコーナーで先行を許してしまうことに。ENEOS X PRIME GR Supraは4番手で序盤のレースを進めていくことになった。
福住はその後ややペースには苦しみつつも、5番手を走っていた#17 HRCプレリュードGTは寄せ付けず、33周を終えてENEOS X PRIME GR Supraをピットに向けた。
チームは昨年同様、迅速な作業でタイヤ交換と給油を行い、大嶋にステアリングを託しENEOS X PRIME GR Supraを送り出した。このレースはコースアウト車両こそあったものの、フルコースイエローやセーフティカーは入らず、クリーンなレースが続いていた。GT500クラスでもピット作業ミス等はほとんど起こらず、地力のスピードがそのまま順位に直結。各車がピット作業を終えると、ENEOS X PRIME GR Supraはふたたび4番手に戻っていた。
大嶋が担当した後半は長丁場だったが、レース終盤、大嶋はペースに苦しみはじめってしまった。タイヤカスのピックアップに悩まされ、あちこちでENEOS X PRIME GR Supraがスライド。コントロールに四苦八苦するうちに、後方からはペースに優る#39 GR Supraが急接近した。2台はチェッカーまで延々と熾烈なバトルを強いられることになったが、大嶋は抜きどころをきっちりと抑えると、4位を守ったままフィニッシュした。
これまで岡山は得意コースのひとつだったが、今オフに車両開発が認められたことが影響したか、その優位性が失われていた。土曜の苦戦はそれが大いに響いたが、TGR TEAM ENEOS ROOKIEはチーム一丸の改善で、表彰台には届かなかったものの4位という結果で終えてみせた。
チームの成長を感じる一戦になったとともに、TGR TEAM ENEOS ROOKIEは多くの課題も得た。目標とするチャンピオンのためには、この課題をひとつずつクリアしていかなければならない。
第2戦の舞台は、チームのホームコースである富士スピードウェイ。さらなる上位進出を目指し、TGR TEAM ENEOS ROOKIEは一丸となって改善に取り組んでいく。



福住 仁嶺 – Nirei FUKUZUMI – DRIVER
「今回、土曜の公式練習のロングランからあまり良いフィーリングではありませんでした。正直、公式予選の3位がうまくいきすぎたと言ってもいいくらいのポジティブな結果だったと思います。決勝レースに向けて、いろいろなトライを行いましたが、ポテンシャルが足りない状況で、僕自身の走りもあまり良くなかったと思います。その点は今後に向けていろいろ調整しないといけないですね。3番手スタートからの4位は悔しい気持ちもありますが、週末全体のことを考えると、悪くないレースだったと思います。また課題としてもいろんなことが見えてきた週末でした。その課題をクリアするのが難しいのですが、チームのみんなと一緒に考えて、次戦も頑張っていきたいと思います」
大嶋 和也 – Kazuya OSHIMA – DRIVER
「今回、走り出しからフィーリングは最悪で、今までGT500クラスで戦ってきたなかでもいちばん乗りづらいくらいでした。公式予選ではQ1を通れるのか不安でしたが、なんとか改善することができ、グリップがあるときは乗りこなせるくらいになりました。予選では福住選手も頑張ってくれて3番手につけられたので、決勝でもチャンスがあれば前に出たいと思っていましたが、単独ではまだしも、競り合いになるとピックアップも発生するし、厳しいレースになりました。そこらじゅうでカウンターを当てていましたし、GT300も抜けず大変でした。でもそんな苦しい状況のなかでも、しっかり4位が獲れたので、チームとしても成長をみせられたのではないかと思っています」


豊田 大輔 – Daisuke TOYODA – GENERAL MANAGER
「今季、クルマが少し変わったことで事前の公式テストから岡山での強いパッケージが失われている印象があり、土曜の公式練習から『これはまずい』という状況になっていました。その状況のなかで、よく4位でゴールできるまでもってくることができたと思いますし、今のチーム力を表しているのではないかと思います。苦しい状況でも、みんなが『なんとかしよう』という表情や姿勢をみせてくれたので、すごく誇りに思っています。ドライバーもメカニックもエンジニアも、自分たちの強みを活かした貢献をしてくれたおかげで、予選3番手に繋がりました。決勝は抜くまでの強さは出せなかったので、次の第2戦富士に活かしたいですし、今シーズンの7戦をいかに戦うかをしっかり考えていきたいです」
武田 敏明 – Toshiaki TAKEDA – DIRECTOR
「予選3番手からのスタートだったので、表彰台に届かずポジションを落としての4位という結果は非常に悔しいところではありますが、土曜の公式練習での走り出しの状況を考えると、チームみんなでリカバリーすることができた開幕戦だったな、と思います。特にドライバーのふたりには助けられた週末でした。福住選手のスピード、そして大嶋選手のクルマに対するコメント、そして決勝レースでのベテランらしい粘り強い戦いのおかげだったと思います。今回はふたりのドライバーに助けられた部分が大きいので、次戦はホームコースの富士ですし、ドライバーふたりに満足してもらえるようなクルマを作り、ふたりを助けられるようなレースをしたいと思っています」

