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2026 SUPER GT Round 2 – GT500 Class

PRACTICE – 公式練習
5月3日(日) 天候:曇り/路面:ドライ

 岡山国際サーキットでは惜しくも表彰台には届かず4位でレースを終えたものの、結果以上にチームの成長を感じつつ、新たな課題も得ていたTGR TEAM ENEOS ROOKIE。迎えた第2戦の舞台は、チームの地元である富士スピードウェイだ。ゴールデンウイークの一戦で好結果を得るべく、走行初日から多くのファンで賑わいをみせるなか、5月3日(日)の午前10時30分から公式練習に臨んだ。
 時折晴れ間が見えるものの、曇り空のもと迎えた公式練習は、気温22度/路面温度34度というコンディションで始まった。ENEOS X PRIME GR Supraは大嶋和也がステアリングを握りコースイン。途中一度赤旗中断でピットインしたことを含む2回のアウトインを経て、3時間の長丁場となる決勝レースに向けて、予選で使う予定がないタイヤでロングランのテストも実施。セットアップの調整を行った後、上々の手ごたえを得て24周を走り、福住仁嶺に交代した。
 交代した福住は、大嶋からのフィードバックを引き継ぎながら、こちらもロングランをトライ。「決勝レースも戦えそうな手ごたえがありました」という感触を得つつ、GT500クラスの専有走行に臨んだ。
 午後の公式予選に向けたタイヤ選択に悩むところではあったが、福住は専有走行でアタックシミュレーションを行うと、1分28秒116というタイムを記録。4番手で公式練習を終えることになった。この富士スピードウェイでは上位陣は僅差になる傾向があるが、4番手とはいえトップとのタイム差はわずか0.143秒。まったくポールポジションが狙えないわけではない。
 長丁場とはいえ、予選のポジションも重要となる。午後の公式予選に向けて、TGR TEAM ENEOS ROOKIEはタイヤ選択、そしてセットアップの調整といった作業を行っていった。

QUALIFY – 公式予選
5月3日(日) 天候:曇り~雨/路面:ドライ・ウエット

 公式練習の後、富士スピードウェイは雲が増え、午後2時20分から始まった公式予選は気温21度/路面温度27度というコンディションで始まった。ただ全体的に風が強く、メインストレートは追い風。ドライビングにもわずかに影響があるほどの風となっていた。
 まずGT500クラスのQ1に出走したのは大嶋。「タイヤ選択を間違えないように気をつけていました」という大嶋だが、そのタイヤ選択も的中。アタックに入ると、1分26秒882というタイムを記録。7番手につけ、Q2の福住に繋いだ。
 大嶋からのフィードバックを得つつ微調整を行ったENEOS X PRIME GR Supraを駆り、福住はチェッカーに向けてアタックを決める。1分26秒254というタイムを記録してみせると、このタイムを上回るライバルは現れず、ENEOS X PRIME GR Supraは見事ポールポジションを獲得。チームオーナーのモリゾウの70歳の誕生日に、最高のプレゼントとなった。
 予選後、車内で消火器が作動してしまうアクシデントはあったものの、大事には至らず。TGR TEAM ENEOS ROOKIEは最高の位置から決勝を戦うことになった。

RACE – 決勝レース
5月4日(月・祝) 天候:晴れ/路面:ドライ

 ポールポジション獲得の喜びから一夜明けた5月4日(月・祝)、富士スピードウェイには5万300人ものファンが訪れ、グランドスタンドを埋めた。その大観衆が見守るなか、ENEOS X PRIME GR Supraは全車の中心を通り隊列の先頭につけ、午後2時からの決勝レースに臨んだ。
 気温24度/路面温度43度というコンディションで、風が強いもののゴールデンウイークらしい快晴に恵まれた決勝で、ENEOS X PRIME GR Supraのスタートドライバーを務めたのは福住。まずはオープニングラップを制すると、グイグイと2番手以下の集団を突き放していった。ただ、このスパートには理由があった。
 TGR TEAM ENEOS ROOKIEはこれまでの走行のなかで、2番手につけていた王者#36 GR Supraの給油スピード、ピットワークのスピードが速いことに気づいていた。TGR TEAM ENEOS ROOKIEのメンバーもふだんからピットワークの練習を繰り返し、自信をもっていたが、ピットワークでギャップを縮められることが分かっていたからだ。チームは福住に少しでも大きなギャップを作ってもらう作戦を採っていた。
 福住はその期待に応え、40周まで走り20秒を超えるマージンを2番手の#36 GR Supraに対して築いてみせた。大嶋に交代しリードを保ったままコースに復帰したENEOS X PRIME GR Supraだったが、ここからレースの流れが変わり始めた。
 大嶋はスティント前半こそ良いペースを保っていたものの、気温が少しずつ下がり始めるなか、タイヤのピックアップに悩み始めた。設定したタイヤの内圧の問題なのか、#36 GR Supraとのタイム差がどんどんとなくなっていく。チームは大嶋のスティントの残り時間と、最終スティントに向け準備していた福住にどの種類のタイヤを使用するか、綿密に検討していった。
 先に動いたのは#36 GR Supra。76周を終えてピットインする一方、大嶋は78周まで走りピットイン。福住に交代する。しかし、#36 GR Supraが仕掛けたアンダーカット、そしてピット作業時間の違いにより、ピットアウトしたENEOS X PRIME GR Supraは、あえなく#36 GR Supraの先行を許してしまった。
 ただ、福住の序盤のスピードがあればふたたび勝負をかけられるはず……。そんなチームの期待は終盤裏切られることになってしまった。最終スティントに向けて選んだタイヤはコンディションに合わず、#36 GR Supraは逃げる一方。福住は最後までプッシュを続けたものの、8.786秒差の2位でフィニッシュした。
 相手はサクセスウエイトも重い状況で、こちらはペナルティを受けたわけでもない。まさに力と力の勝負で#36 GR Supraに敗れてしまった。2位ではあるが、「今まででいちばん嬉しくない2位」と豊田大輔GMは唇を噛んだ。これを乗り越えなければ、チャンピオンには届かない。TGR TEAM ENEOS ROOKIEはこの悔しさを糧にして上を目指すべく、前を向いた。

福住 仁嶺 – Nirei FUKUZUMI – DRIVER

「決勝では第1、第3スティントを担当しましたが、最初のスティントでは展開にも恵まれ、良い状況で後方にギャップを築くことができました。ただ第2スティントから36号車のペースも速く、僕たちもピックアップ等に苦しむことになりました。甘くない展開になりそうだと思いましたが想像以上に追いつかれてしまいました。最終スティントではチームと相談したタイヤを選んだものの、それも機能せず結果的に36号車に敗れるかたちになってしまいました。悔しい気持ちはありますし、チームとして本当に足りていないところが何かはもう分かっているものの、それを直すのも難しいところもあります。でもそれを乗り越えられるよう、みんなで話し合って、良いチームにできるようもっと考えていきたいです」

大嶋 和也 – Kazuya OSHIMA – DRIVER

「開幕戦は苦戦しながらも4番手を守り、第2戦では完璧とは言えないまでもパフォーマンスを示すことができました。その結果がポールポジションに繋がりましたが、優勝に向けた絶好のチャンスを活かすことができませんでした。タイヤのピックアップに対して弱いところもありましたし、ピット作業のたびにあれほど差を詰められてしまうと、レースにならないです。第4戦までは時間があるので、なんとかその差を詰めてもらわなければいけません。僕たちも良いクルマが作れるように、もっと貢献していきたいと思います。今回のレースは36号車との差が大きかったので悔しいです。もちろんチームもみんなが危機感をもってくれたと思うので、次戦までの3ヶ月間、しっかり準備していきたいです」

豊田 大輔 – Daisuke TOYODA – GENERAL MANAGER

「今まででいちばん嬉しくない2位になってしまいました。こういうレースで優勝できないのが、まだチーム力が煮詰まっていないことを示してしまったと思います。ピット作業等、36号車に対し厳しい面もあったのですが、それに対してドライバーふたりに大きな負担をかけてしまいました。福住選手が序盤ギャップを作ってくれたのは素晴らしいところですし、みんなの努力の賜物だと思うのですが、大嶋選手に代わってから内圧等でうまくアジャストしきれず、ギャップが減っていったときの戦い方でまだ弱さがありました。改善しなければいけませんし、うまく噛みあわせることができなかったので、自分の責任もあったと思います。今日のようなレースを取りこぼさない戦い方ができるようにしたいですね」

武田 敏明 – Toshiaki TAKEDA – DIRECTOR

「ポールポジションを獲得した公式予選までは良い流れがありましたが、3時間レースというなかで、2番手に36号車がいて、一騎討ちになるのではないかと思っていました。我々には不安要素があるなかで、最善を尽くして戦っていきましたが、その不安要素が出てしまったのが正直なところです。そこから自滅のようなかたちになってしまったのが今回のレースでした。チーム力として上げるべき点が明確になったレースですし、第4戦富士までに徹底的に見直していきたいです。36号車の実力以上の準備をしなければ勝てないですし、全員がその気持ちで取り組まなければいけません。ドライバーふたりには申し訳なかったですし、最終的な責任は監督の自分にあるので、第4戦では絶対にリベンジしたいです」