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ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE 第6戦 スーパー耐久レース in 岡山

ポール・トゥ・ウインで今季3勝目! ランキング首位で最終戦へ

3月に三重県の鈴鹿サーキットで開幕した2023年のスーパー耐久シリーズは、いよいよ残すところ2戦。今季第6戦となる岡山国際サーキットでのレースを迎えた。コース長が短いことから、例年どおりグループ1/2に分かれての3時間レース2回で争われるスタイルだが、スーパー耐久を戦い続けているROOKIE Racingは、今回いつもと異なる体制での参戦となった。
 スーパー耐久機構が認めた開発車両が参戦できるST-Qクラスに参戦してきた28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Concept、そしてORC ROOKIE GR Corolla H2 concept、ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptといった車両を投入し、さまざまな意欲的な挑戦を行ってきた32号車は、今回他のST-Qクラス挑戦チーム同様、1戦の“お休み”をとることになった。
 そこで今回ROOKIE Racingとして参戦することになったのはST-Xクラスのチャンピオン獲得を目指す中升ROOKIE AMG GT3の1台のみ。ST-Xクラスは全戦で開催されることもあり、休むわけにはいかない。シリーズ残り2戦ということもあり、ウエイトハンデが厳しい状況で、さらに第1戦鈴鹿で速さをみせていた#500 GT-Rがひさびさに参戦するなど難しい一戦ではあるが、最終戦富士を迎えるにあたって、好結果を残しておきたいレースだ。
 そんなレースに向けて、多忙な終盤戦のスケジュールのなかチームは岡山国際サーキットへ移動。10月19日(木)にスタートした特別スポーツ走行から、週末に向けた準備を進めていった。

特別スポーツ走行/STEL専有走行 10月19日(木)〜10月20日(金) 天候:晴れ/曇り〜雨 路面:ドライ/ウエット

 迎えた第6戦岡山は、10月19日(木)午後1時20分から1時間、午後3時45分から1時間と、合計2回の特別スポーツ走行が行われた。晴天のもと中升ROOKIE AMG GT3は、蒲生尚弥、平良響、鵜飼龍太の3人がドライブし、週末に向けたセットアップを進めていった。ここ数戦、中升ROOKIE AMG GT3の課題となっているのは決勝レースでのペースの苦しさ。その課題解決を目指して施した新たなセットアップを行った。
 ただ明けて走行2日目となった10月20日(金)の岡山国際サーキットは曇り空。午前11時から行われた専有走行1回目では、蒲生と鵜飼が交代しながら周回したが、途中からポツポツと雨が降りはじめてしまった。さらにこの雨は午後3時35分までのインターバルの間に強さを増し、その後雨は上がったものの、ウエットコンディションとなってしまった。
 週末には晴れの予報も出ていたことから、ST-Xクラスのライバルたちの中には走行を見合わせるチームもあったが、中升ROOKIE AMG GT3は蒲生のみがドライブし、20周を消化するのみで走行を終えることになった。
「いろいろな準備してきたことの確認をすることもできましたし、現状できることはこなすことができたのではないでしょうか。また雨でも走りましたが、この走行でも限られた時間をすべて使い、今後のウエットでの走行も見据えたものにしました」というのは蒲生。
 また今回も決勝レースで重要な役割を担うことになる鵜飼龍太は「クルマのセットアップも行ってもらい、乗りやすい状態になっていると思います。ウエイトを積んでいますが、戦える状態になっているのではないでしょうか」と手ごたえを語った。
「自分としてもここまで5戦経験してきたので、それを活かせるようにしたいです。今回は2グループに決勝が分かれていますし、アベレージを上げていけるように頑張りたいですね」
 なお今回は、鵜飼の言葉にもあるとおりグループ1/2に分かれての3時間レース。Dドライバーにも登録されている片岡龍也は監督に専念することになるが、「ウエットの調子はすごく良かったのですが、そのなかで試した内容がドライで良ければ、決勝レースへのペース改善にも繋がるのではないかと思っています」とレースでの接地性向上、そして課題の決勝ペース改善を目指した2日間の走行を振り返った。

公式予選 10月21日(土) 天候:晴れ 路面:ウエット/ドライ

 専有走行から一夜明けた10月21日(土)の岡山国際サーキットは、事前の天気予報では晴天だったが、午前10時20分から行われた30分間のフリー走行は曇り空。気温も低いなか、中升ROOKIE AMG GT3は平良と蒲生、そして鵜飼が走行。7番手で走行を終えた。
 ただその後、公式予選までの間にサーキットにはザッと強い雨が降ってきてしまった。路面はあっという間にウエットコンディションに転じてしまった。
 5分遅れとなった午後2時10分からのAドライバー予選に臨んだ鵜飼にとっては、非常に難しいなかスリックタイヤでアタックを強いられることになってしまったが、鵜飼は少しずつ路面が乾いていくなか、1分31秒189という好タイムを記録。トップでAドライバー予選を終え、この殊勲がチームに勢いをもたらす。
 今回は変則的なスケジュールで、続いてCドライバー予選が行われ、平良響が1分32秒372を記録。さらにDドライバー予選では、この週末唯一の走行となった片岡龍也が1分32秒802を記録。平良と片岡の走行で決勝を見すえつつ、きっちりと予選を進めていった。
 公式予選の最後に行われたBドライバー予選では、満を持して蒲生尚弥が登場。5周目、1分29秒432というタイムを記録すると、合算で中升ROOKIE AMG GT3は初めての総合ポールポジションを獲得してみせ、この日からサーキットに駆けつけた豊田章男チームオーナーを喜ばせた。
 ポール獲得に貢献した鵜飼は「正直、乾ききる前のスリックはST-Xで初めてだったので怖かったのですが、毎周確認しながら走りました。シリーズポイントもありますので、ちょっとホッとしました」と笑顔をみせた。

決勝レース 10月22日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ

 迎えた10月22日(日)の決勝日。岡山国際サーキットは朝から晴天に恵まれ、午後1時30分からのグループ1の決勝は、秋晴れのもと迎えた。
 中升ROOKIE AMG GT3のスタートドライバーを務めたのは、ここ数戦同様に平良。フォーメーションラップスタート時、2番手スタートの#500 GT-Rが発進できずピットスタートとなったことから、平良にとっては比較的楽な展開も予想された。スタート直後、平良の後方からは3番手スタートでウエイトが軽い#202 NSX GT3が接近するものの、しばらく経つと平良はジワジワとギャップを広げていった。
 今シーズン、スタートドライバーの平良は苦戦を強いられることも多かったが、今回のレースではラップタイムも安定しており、好調そのもの。30周を終えてピットインすると、鵜飼に交代しスタートの大役をしっかりと果たした。
「取り組んできたセットアップのなかで『これだ!』というのがやっと見つかったので、良いペースで走ることができました」と平良。
「途中、#202 NSXに迫られるシーンもありましたが、なるべくタイヤを傷めないように気をつけて、一度気持ちを落ちつけることができたのが良かったですね。最後はギャップを開いてバトンを渡すことができたので、良かったです」
 交代した鵜飼は着実に、安定したペースでラップを重ねていくと、ピットインをギリギリまで遅らせた#23 メルセデスAMGに先行を許したものの、その差はわずか。少しずつギャップを縮めていき、オーバーテイクまでは至らなかったものの、68周目まで走りピットへ。予選後、「大事なのはレースですから」と語っていた鵜飼は、しっかりと大役を果たしてみせた。
「今回は平良選手からトップでステアリングを受け継いだので、どれくらいのペースで走れば良いのかは雰囲気で分かっていました。いつもどおりミスなく走り、その上で、もっとクルマのことを感じ取れるように走りました」と鵜飼。
 レースは残り1時間強。フィニッシュドライバーの大役を務めることになったのはエースの蒲生だ。
 さすがのスピードをみせた蒲生は、スタートドライバーを引っ張り、ピットインタイミングが異なっていた#23 メルセデスAMGが88周を終えてピットインすると、ついにトップに返り咲いた。2番手でコースに戻ってきた#23 メルセデスAMGとの差は残り30分を切ったところで34秒以上と、盤石の展開。西日が差すなか、蒲生はしっかりとフィニッシュに向けてペースを保ち、最後は114周を走り切りチェッカー。中升ROOKIE AMG GT3は、第2戦富士、第4戦オートポリスに続く今季3勝目を飾ってみせた。
「ピットもミスがありませんでしたし、リードを守り淡々と走り切ることができました。最後まで気を抜かず、決勝ペースもまだもうひと伸びあると思います」と蒲生。
 この結果、中升ROOKIE AMG GT3はポイントを伸ばし、最終戦となる第7戦富士をポイントリーダーで迎えることになった。今季の参戦にあたって掲げていた目標まで、あとわずかだ。
 この日はずっとサインガードで戦況を見守っていた片岡監督は「今回は鵜飼選手の成長が大きかったし、イレギュラーもなく、予定どおりのレースができました。こんな思ったとおりのレースになるんだと思いましたね」パーフェクトなレースを振り返った。
 3月に鈴鹿サーキットで開幕した2023年シーズンも、いよいよ残すところ1戦。優勝で喜ぶときもあれば、苦しいレースもあった。
「もちろんチャンピオンを獲りたいですが、そのために自分の役割が大事になってくるので、そこを受け止め、チームとしてやるべきことをやればチャンピオンになれると思います」と大舞台を控えた鵜飼は最終戦へ向けて意気込んだ。