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2022 AUTOBACS SUPER GT 第2戦 FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE

<公式練習:5/3(火・祝日) 天気:晴れ 路面:ドライ>

第1戦岡山では終盤まではまさに パーフェクトと呼べるレース運びで 逃げ切りを果たし、SUPER GT で 2年連続の開幕戦勝利を飾った TGR TEAM ENEOS ROOKIE。 第 2 戦 の 舞台は、チームのお膝元でもある静岡 県の富士スピードウェイだ。2021 年には開幕優勝に続き2位 表彰台を獲得し、チャンピオンシッ プを大きくリードした。ただ僅差の GT500 クラスで、第1戦の結果にと もなうサクセスウエイトもありその再 現は簡単ではない。しかし大嶋和也と 山下健太はその再現、そしてそれ以上 の結果とも言える2連勝を目指し富士 スピードウェイに乗り込んだ。

今回の第2戦は、ゴールデンウイー クの一戦ともあり毎年大きな賑わいを みせるレース。一方で今季は、新たな 要素もある。レース距離が 450km に設定されたのだ。これまでの SUPER GT にはなかったレース距離で、かつ 2回のピットストップが課せられてい る。戦略面が非常に重要となった。 そんなレースに向け、5月2日(月) に小雨舞うなか準備を進めた TGR TEAM ENEOS ROOKIE は、 5 月 3 日(火・祝)午前9時からの公式練 習に臨んだ。爽やかに晴れ渡り、多 くのファンがスタンドを埋めるなか、 ENEOS X PRIME GR Supra は 山 下がステアリングを握りコースイン。 チェックの後、いきなり 14 周のロン グランをこなすと一度ピットへ。さら に8周を走り大嶋に交代する。大嶋も すぐにロングランをこなしていくと、 終盤の専有走行の時間帯には山下に再 度交代。午後の公式予選に向けたシ ミュレーションを行っていった。

山下はアウトラップから4周目、1分 27 秒 554 というベストタイムを マークする。結果はトップから 0.341 秒差の8番手。事前の予想どおり上位 は僅差で、大嶋、山下ともに ENEOS X PRIME GR Supra に対して抱いたフィーリングは悪くない。長丁場の レース距離とは言え、展開を有利に運 ぶためにはグリッドも重要だ。午後の 公式予選に向けて十分な手ごたえを得 て、公式練習を締めくくった。


<公式予選:5/3(火・祝日) 天気:晴れ 路面:ドライ>

岡山では大嶋の会心のアタックで ポールポジションを獲得し喜びに包 まれたが、サクセスウエイトも積ん でいる今回の第2戦では、そう簡単に はいかない。しかしそれでも、決勝 レースでの好結果に向けてひとつでの 前のグリッドを得るべく、ENEOS X PRIME GR Supra の予選 Q1 を担当 した山下は、午後3時 33 分のコース オープンとともに、念入りにタイヤを ウォームアップさせていった。

山下は6周目、一気にタイムを上げ 1分 26 秒 810 というタイムをマークする。しかし、ライバルたちも続々 とタイムを上げていくと、終わってみれば9番手。予選 Q2 進出に必要 な8番手まで 0.041 秒届かず、無念 の Q1 敗退となってしまった。今回の GT500 クラスのタイム差は超僅差。 Q2 まではほんのわずかだったのだ。 山下は予選後、「もう少し頑張れば いけたのかもしれないので悔しいです が……」と無念さを露わにした。ただ 大嶋は、「昨日から決勝に向けてセッ トを合わせてきた。自信をもっていけ ばいい」と山下をかばった。大嶋の言 うとおり、大事なのは決勝だ。豊田大輔オーナー代行も「レースではアベ レージで勝負しましょう」とチームを 奮い立たせた。


<決勝レース:5/4(水・祝日) 天気:晴れ 路面:ドライ>

4万 4000 人というひさびさの大 観衆を集め、爽やかな青空のもと迎え た5月4日(水・祝)の決勝日。TGR TEAM ENEOS ROOKIE は、 予 選の悔しさを晴らすべく追い上げを期する 決勝レースに臨んだ。

午後2時 30 分に迎えたスタートで、ENEOS X PRIME GR Supra の ス タートドライバーを務めたのは大嶋。 スタート直後に下位でアクシデントが 発生するなど、序盤から GT500 は荒 れ模様。そんななか、大嶋は 11 番手 につけ混戦の上位陣を追った。 ENEOS X PRIME GR Supra のコ クピットで、大嶋は前日に続きフィー リングの良さを感じていた。十分追い 上げ可能な速さのポテンシャルはある ものの、やはり搭載している 42kg の サクセスウエイトが効いているため か、なかなかオーバーテイクには至ら ない。大嶋は 11 番手をキープしたま ま序盤のレースを戦っていった。 そんな状況を打開できるのは、今回の 450km というレース距離と、2 回の給油義務が課せられているなかで の作戦だ。豊田大輔オーダー代行も予 選日に語っていたとおり、いかにアベ レージ高くフィニッシュまでもってい けるかが重要になる。

25 周を過ぎる と、GT500 でも少しずつピット作 業を行うチームが出はじめるが、前が 開けはじめると、大嶋は好フィーリ ングも手伝い、ペースを上げていくこ とができた。この展開ならば、ピット 作業を遅らせるのが賢明だ。大嶋は 37 周までコースに留まり、3番手ま でポジションを上げた後、ENEOS X PRIME GR Supra をピットに戻した。 チームは大嶋の好走に応えるように スピーディーなピット作業を行う。代 わってステアリングを握った山下健太 は追撃を始めるが、43 周目、アドバン・ コーナーの進入で GT300 クラスの車 両が激しくクラッシュ。フルコースイ エローが導入され、すぐにセーフティ カーランに変更されることになった。 このアクシデントによるセーフティ カーランはしばらく続くことになる が、タイヤバリアの修復のために重機 の導入が必要と判断し、レースは午後 4時 01 分、48 周で赤旗中断となる。 オフィシャルによる迅速な修復後、午 後4時 25 分にレースはセーフティ カーランで再開されることになった。

セーフティカーは 52 周に退去し、 戦いの火ぶたがふたたび切って落とさ れるが、GT500 では激しい争いが展 開される。そんななか 59 周を迎えよ うかというタイミングで、トップ争い のなかで #3 Z GT500 がストレート 上で激しくクラッシュしてしまう。直 後につけていた山下はコースに飛散 したパーツを避けようとスローダウ ンを試みるが、すぐ背後にいた #24 Z GT500 が ENEOS X PRIME GR Supra のリヤにヒットしてしまった。 大きなアクシデントのなかで仕方がな いところだったが、これで ENEOS X PRIME GR Supra はリヤハッチなど、 カウルを破損してしまった。

レースは即座に赤旗中断となった が、ドライバーの高星明誠選手の無事 が確認され、ライバルとは言え TGR TEAM ENEOS ROOKIE も 全 員 が ホッと胸をなで下ろした。ただガード レールが大きく破損し、この補修に時 間を要した結果、レースの最大延長時 間が近づいてしまった。午後6時 20 分、レースはセーフティカーのまま終 了し、山下はカウルを破損したまま 9位でチェッカーを受けた。しかし、 SC 中に上位2台がペナルティを受け、 ENEOS X PRIME GR Supra の順位 は7位に。規定の 70 パーセントを消 化していないことからハーフポイント となったが、貴重な2点を加算した。


ドライバー/監督コメント

DRIVER 大嶋 和也 (Kazuya Oshima):「クルマのフィーリングも悪いわけではありませんでしたが、集団で走っていた状態ではサクセス ウエイトが響き、なかなか混戦から抜け出せないレース展開になってしまいました。前がクリア になったときには良いペースで走れていたので、ハンデの厳しさを感じましたね。そんななかで もポイントは獲得しなければならないので、最終的に7位に入ることができたのは良かったです。 大きなアクシデントの影響で僕たちのクルマもダメージを受けていたので、そんななかでチェッ カーを受けることができたのは良かったですね。この厳しい状況のなかでもポイントは獲り続け る必要があるので、次戦の鈴鹿に向けてクルマをさらに良くできるように、引き続き頑張ってい きたいと思います」

DRIVER 山下 健太 (Kenta Yamashita):「荒れたレースでしたが、ポイントを獲ることができて本当に良かったです。公式予選では、結果 的にほんのわずかな差で Q2 進出を逃してしまったので、自分がなんとかできたのかもしれませ んが、仕方ないですね。でも、ああいう時にもちゃんと Q2 に進出できるような走りを今後して いきたいと思います。決勝では、僕のスティントではクルマのバランスがあまり良くなく、ペー スを上げられなかったので、そこは次戦に向けて反省点です。レース終盤、アクシデントの際に うしろのクルマにスリップにつかれていたので、前が見えていなかったのだと思いますが、僕が アクセルをゆるめたタイミングで接触してしまいました。クルマが壊れてしまいましたが、走り きろうと臨んでいきました。結果的にそれが繋がり、ポイントが獲れたのは良かったです」

DIRECTOR 高木 虎之介 (Toranosuke Takagi):「しぶとく戦い続けて、最終的には7位でポイントを獲ることができたのは本当に良かったです。 レース前には『荒れたレースになるのでは』とは思ってはいましたが、これほど荒れるとは思っ てもみませんでした。我々のクルマもダメージを受けてしまいましたが、そんななかでチェッカー を受けることができ、なんとか最後までレースを終えることができて本当に良かったです。『乗り 切ったな』というのが実感ですね。次戦は鈴鹿になりますが、ポイントリーダーのまま挑むこと ができます。昨年は第2戦以降ずっとポイントを獲ることができなかったので、次戦も取りこぼ さないようにしぶとく挑んでいきたいです。今回はタイヤ交換も速かったですし、状況に満足せず、 これからも戦っていきたいですね」


SUPER GT 第2戦 富士スピードウェイ リザルト


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