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全日本スーパーフォーミュラ選手権2022 第7戦/第8戦

金曜フリー走行:8月19 日(金) 天候:晴れ 路面:ドライ


2022 年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、早くも残り2大会となった。第6大会の舞台となるのは、例年真夏に開催されることが多い栃木県のモビリティリゾートもてぎ。ストップ・アンド・ゴーのレイアウトが特徴のコースだが、今季は昨年までと異なり、1大会2レース制の第7戦/第8戦のレースが争われた。

今季の開幕大会でも採用された1大会2レース制でもそうであったように、この大会も非常に多忙なタイムスケジュールでもあるが、土曜の第7戦での不調を第8戦で改善していくことも可能になるのはチャンスでもある。

 docomo business ROOKIE と大嶋和也は、序盤戦こそ進歩を続けてきたが、ここ2戦ほど望んでいた速さを得られておらず、ストレスが溜まるレースを送ってきた。シーズン残り2大会で、来季以降に繋げるためにも、このモビリティリゾートもてぎで、大嶋いわく「2レース制でもあるので、思い切ったセットアップ変更」に取り組んできた。

そんな第6大会は、8月20 日(土)に第7戦の予選と決勝、21 日(日)に第8戦の予選と決勝が行われることから、8月19 日(金)午後1時40分から、1時間30 分の専有走行が行われた。

晴天に恵まれた夏の暑さのもと、大嶋は3〜4周ほどを走りピットに戻り、さらにふたたびピットアウトしていき、セットアップの確認や予選に向けた細かい作業を進めていった。

アクシデント等は起きないまま、残り7分ほどというタイミングで大嶋はニュータイヤを装着し、アタックシミュレーションを行い、ここでチェッカーとともに1分32 秒950 というタイムをマークした。

 順位としては20 番手。トップとは1.729 秒差がついている。まだ上位との差が大きいが、大嶋とチームはこの専有走行で得た新たにトライしたセットアップの感触から、予選でも通用するのではないかというジャッジを下し、8月20 日(土)の第7戦に向けて準備を進めていった。


第7戦 公式予選8月20 日(土) 天候:曇り 路面:ドライ

迎えた8月20 日(土)は、朝から薄雲りで気温26 度/路面温度35 度というコンディション。当初第7戦の公式予選は午前9時05 分から予定されていたが、直前の走行で赤旗中断があり、15 分遅れとなる午前9時20分に公式予選がスタートした。 予選B組から出走した大嶋は、まずはユーズドタイヤを履きコースイン。

一度ピットに戻った後、再度コースインした。このタイミングでアタックする車両が多く、コース上はトラフィックも厳しかったが、大嶋は位置取りを行うと、チェッカーとともに1 分32秒218 というタイムをマークした。

このB組では1台がトラブルで走れなかったが、大嶋の順位はタイムをマークした車両のなかでは最後尾となる10 番手。上位とのタイム差は前日以上に広がる結果となってしまった。

「トップとのタイム差も大きくて、このまま第8戦まで引っ張っても厳しいかもしれない」と大嶋とチームは、これまで使ってきたセットアップの方向に戻す決断を下した。

 総合の予選順位は20 番手。今回も最後列からのスタートだが、翌日の第8戦に繋げるためにも、決勝で良いきっかけをつかむべく、午後からの決勝レースに備えた。


第7戦 決勝レース:8月20 日(土) 天候:曇り 路面:ドライ

第7戦の公式予選後、わずか4時間30 分ほどのインターバルで迎えた決勝レース。直前のウォームアップ走行

で、変更したセットアップの感触がそれほど悪くないことを確認した大嶋はグリッドにつけ、一度クルマを降りス

タートの時を待ったが、その間雨がポツポツと舞いはじめた。

 降りはじめはすぐにコースを濡らすほどの雨脚ではなかったが、スタート15 分前、ウエット宣言が出されると、スタートを目前にして雨脚が一気に強まりはじめ、あっという間にコースはウエットに。チームはウエットタイヤに交換し、午後2時30 分の決勝に向け大嶋を送り出した。

30 分ほどのインターバルで迎えた決勝レース。直前のウォームアップ走行で、変更したセットアップの感触がそれほど悪くないことを確認した大嶋はグリッドにつけ、一度クルマを降りスタートの時を待ったが、その間雨がポ

ツポツと舞いはじめた。降りはじめはすぐにコースを濡らすほどの雨脚ではなかったが、スタート15 分前、ウエット宣言が出されると、スタートを目前にして雨脚が一気に強まりはじめ、あっという間にコースはウエットに。チームはウエットタイヤに交換し、午後2時30 分の決勝に向け大嶋を送り出した。

この週末、まだウエットでの走行もなかったことから、レースはセーフティカースタートとなるが、4周目に

セーフティカーが退去し、いよいよレースの火ぶたが切られた。

 大嶋は序盤から20 番手を走り続けるものの、いかんせん前走車が巻き上げる水しぶきの量が凄まじい。もてぎ

はストップ・アンド・ゴーのレイアウトということもあるが、しぶきが切れるところが比較的少ない。思うようにペースを上げることもできず、決勝に向けたセットアップ変更も思うように確認ができない。大嶋にとってもチームにとっても、かなりストレスが溜まるレース展開が続いていった。もちろんライバルたちも同様で、上位から下位まで、なかなかオーバーテイクの機会は生まれていかない。ウエットレースになったことからピットストップ義務もなくなり、大きく巻き上がる水煙のなかレースが進んでいったが、中盤以降、大嶋に思わぬトラブルが襲いかかった。

 序盤から集団の後方でレースを戦っていた大嶋だが、その影響かヘルメットのバイザーが油膜により汚れてきてしまった。市販車ならばフロントウインドウがギラギラと汚れてしまうのと同様で、大嶋の視界が少しずつ奪われてきてしまう。他にもヘルメットのバイザーのトラブルに見舞われたドライバーは複数存在したが、27 周目、大嶋は視界の悪さからわずかにコースアウトを喫する。さらに、ビクトリーコーナーで#20 平川亮が視界不良を引き金にコースアウト。グラベルにストップしたことから、レースはセーフティカーランとなった。

 幸いコースに復帰できた大嶋はピットと交信しつつ、この機会を使って終盤に向けてフレッシュなウエットタイヤに替えること、そしてバイザーを拭いてくれるように依頼する。29 周目に大嶋はピットインし、タイヤ交換を行うとともに、スタッフが手早くバイザーの汚れを拭き取った。

 レースは29 周目に再開されるが、その後も雨脚は強く、フレッシュなタイヤながらも、なかなかオーバーテイクまでは至らない。最後は#39 阪口晴南に次ぐポジションで、大嶋は17位でフィニッシュ。非常に難しいコンディションのなかでの第7戦を終えることになった。


第8戦 公式予選8月21 日(日) 天候:曇り 路面:ドライ

ウエットコンディションに見舞われた第7戦から一夜明けた8月21 日(日)のもてぎは、雲が多いものの深夜まで降った雨は止み、ところどころ濡れた部分があるものの、ドライコンディションのもと午前9時15 分から第8戦の公式予選がスタートした。前日、変更したセットアップをウエットのなか試すことができなかった

大嶋だが、この日の第8戦に向けてさらに大きく変更を施した。

この日はA組から出走した大嶋にとっては、変更したセットアップでいきなりぶっつけ本番の予選となったが、トラブルが出てしまう。ブレーキバランスのトラブルが起き、コースオープンとともにコースインすることができなくなってしまった。

ただ不幸中の幸いとなったのは、開始後すぐにコースアウトした車両があり、セッションは赤旗中断となった。走行が残り6分25 秒で再スタートすると、作業を間に合わせた大嶋はニュータイヤを履きコースインした。

しかしその前にバランス等のチェックを行えなかったことが響いたか、1分32 秒719 というベストタイムで10 番手という結果に。総合では前日の第7戦と同様、20 番手からスタートすることになった。

7戦に向けて準備を進めていった。


第8戦 公式予選8月21 日(日) 天候:曇り 路面:ドライ

迎えた8月20 日(土)は、朝から薄雲りで気温26 度/路面温度35 度という

前日に行われた第7戦と同じく、4時間半ほどというスケジュールで迎えた第8戦の決勝。この2日間は曇りや雨が絡むことが多かったモビリティリゾートもてぎだが、ここへきてようやく夏空が戻り、気温31度、路面温度38度という暑さのなか午後2時30分に決勝レースがスタートした。

直前のウォームアップでセットアップの確認を行ってきた大嶋は、20 番手からスタートを切るも、それほど良いスタートを決められず、オープニングラップでのポジションアップを果たすことができず、20 番手のままレースを進めていった。集団の後方でいまひとつペースを上げることができずにいたが、ペース自体は悪いものではなさそうだった。ピットで片岡龍也監督が戦略を悩んでいると、10 周を過ぎ上位陣でも早めのピットインを行うチームが現れはじめた。

必然的に大嶋の順位は上がっていくことになるが、ピット作業を行い、フレッシュなタイヤを履いた上位陣が少しずつ大嶋に接近し始めた。15 周目、後方からは第7戦で優勝を飾った#64 山本尚貴が接近してきた。

順位争いを行っている相手ではあるが、無理にブロックをしてもお互いの利益にならない。5コーナーへターンインしようとした大嶋は、ミラーで相手との距離を確認したが、このコーナーではオーバーテイクをしかけなさそうな距離感があった。ただ、相手は大嶋に急接近。右リヤタイヤが相手のフロントウイングに接触し、タイヤがカットされてしまった。なお、このアクシデントで#64 山本にはペナルティも課されている。

 大嶋は状況を伝え、チームは緊急ピットインの準備を進める。迅速な作業を行い大嶋を送り出すと、背負ってしまった1分ほどのタイムロスを取り返すかのように追い上げをスタートさせていった。

 17 周目、大嶋は空いたスペースで1 33 930 というラップタイムをマークする。この第8戦で、まだ133 秒台は誰もマークしていない。タイヤ交換後のフィーリングは非常に良く、上位陣ともほとんど変わらないラップタイムを刻み続けた。残念ながらタイヤカットによる遅れにより一時ラップダウンもなってしまい、順位は19 番手というものだったが、それでも着実にレースを進めていった。

この第8戦はセーフティカー等が出るようなアクシデントもなく、他にトラブルが起きる車両も少なかったことから、大嶋の順位はなかなか上がらぬままだったが、大嶋は最後まで高いペースを保ちながら18 位でチェッカーを受けた。そして、大嶋が記録した1 33 930 は、レース全体のファステストラップとなった。

 もし予選でトラブルが起きなければ、決勝でスタートが良いものだったら、タイヤがカットされていなければ……。レースにタラレバは禁物だが、この好ペースを活かし切れなかったことに悔しさを感じる一戦となった。

 しかし、こうしてもしを語り、悔しさを感じることができるのは、戦闘力があってこそ。ファステストラップはその証明とも言える。

 2022 年シーズンも残すは鈴鹿サーキットでの最終大会のみ。チームと大嶋和也は、シーズンの集大成を飾るべく準備を進めていく。上手くいかなかったのは仕方ない。残り3戦あるので、切り替えてしっかり戦っていきましょう」と豊田大輔GM はチームを勇気づけた。


ドライバー/監督コメント

DRIVER 大嶋 和也 (Kazuya Oshima):今回2レース制なので思い切ったセットアップ変更を行いましたが、第7戦の予選ではタイム差も大きく、レースでどんな感じになるのか試してみたかったのですが、雨が降ってしまって。ウエットコンディションでは視界も悪いですし、全開では走れませんでした。ただ視界が開けているときはそこそこのペースで走ることができました。翌日に向けてチームにリクエストを伝えましたが、予選ではいきなりセットアップを確認できないまま予選になってしまって。ただ、決勝に向けては良い兆しは見えてきていました。第8戦の決勝では、不満が残るところもありましたけれど、タイムで見るとかなり良い位置まで戻ってくることができました。ここ数戦と走っていた位置は同じですが、予選からこの調子でまとめられれば、ポイント獲得も果たせると感じました」


監督 片岡龍也 (TATSUYA KATAOKA):「クルマとしては悪いものではありませんでしたし、タイヤ選択として難しい面はあったものの、レースまでにしっかりと戦えるクルマを作ってきたと思います。ポイントを獲れるくらいポテンシャルを上げてきたつもりでしたが、難しいレース展開でした。14 番手からのスタートだったこともあり、攻めた作戦を採っていきましたが、特にセーフティカーのタイミングが僕たちには味方せず、勝負権を失うことになってしまいました。悔しいですが、こればかりはどうにもなりません。なんとか次戦以降に向けて良いクルマを作っていきたいですし、周囲のライバルもいよいよ重くなってきました。チャンピオンを狙うならば今後の結果はマストですし、得意のスポーツランドSUGO、オートポリスと続くので、どちらも表彰台に乗れるくらいに攻めていきたいです」

「第7戦は予想外の雨になり、そうするとチームとしては大嶋選手に頑張ってもらうしかない。なかなか前をキャッチはしていたものの、抜くには至らない状況でした。バランスは悪くなかったようですが、前に追いつくと視界不良になってしまって。今日のレースはとにかくイレギュラーで、難しいレースでしたね。第8戦は大きくセットアップを変更しましたが、予選でトラブルが出てしまいました。ドライバーには迷惑をかけてしまいました。レースでは序盤ペースは上げられず打つ手がない状況で、そのなかで接触があり緊急ピットインしましたが、その後はトップと変わらないペースで走ることができました。ファステストラップも獲りましたし、タラレバを語れるくらいパフォーマンスは回復できたと思います。内容としては先に繋がるレースでしたね」


第7戦 リザルト


第8戦 リザルト

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